暇記

カキーン

GR8EST名古屋公演を見にいったのでそのことについて綴る。

7月21日から23日まで、名古屋公演を3日間見に行ってきた。

札幌公演から僅か6日。
仙豆でも食べない限りたった6日であの状態の安田くんが劇的に回復するわけもないのが現実で、しかも今回は連続3日間。
札幌の時と近からず遠からずな不安とそれなりの楽しみがない混ぜの心境で名古屋に向かったのだが、結論からいうと、札幌公演と名古屋公演はもう、まったくもって別物だった。
もっと言えば、名古屋1日目と名古屋3日目ですらあらゆる箇所が違って見えた。



名古屋公演1日目。
そこには札幌の時のような重く強張った空気は無く、双方の不安定な感情が渦巻いていたあのヒリヒリとした空間ではもうなかった。
特に札幌では終始表情が固くあまり笑っていないように見えたヨコが、何度も破顔している姿を見られて安心した。
最後の挨拶で皆が言ってたように、とりあえず札幌を無事終えられたことがものすごい自信になったんだろうな。6人とも、見ているだけのこちらなんかが想像できないくらいの不安と緊張を抱えていたのだろう。



2日目は前日よりもさらに6人が逞しくなっているように見えた。
MCも本当にくだらない話ばかりで、自分も以前と同じような気持ちで公演を楽しめていたような気がした。



1日目の夜、コンサート直後のANNで大倉くんは安田くんのことについて「ヤス、元気」としながらも「たとえ札幌の1日は乗り越えられたとしても名古屋は3日間立ち続けなければならないから、もし自分が見ていて無理だなと思ったら独断で(ヤスくんの)出番を減らさせると会社の人に言った」と言っていた。
安田くん自身も「自分は名古屋も3公演全部出たいけど、札幌は自分が今できる全力でやってみたけど、これを3日間というと自分でもわからないレベル」だと言っていたそうで、エイトは皆かなりの覚悟を持ってこの3日間に臨んでいるということを吐露していた。
「(ヤスくんはステージ上で)立っているだけでいい、あなたの笑顔が見られるだけでいい、普通なら(今のヤスくんは)ステージに立てるような状況じゃないのにそんな中で立っているだけであなたは偉い。」と、同じ趣旨のことを何度も繰り返し言う大倉くん。
「(ヤスくんが)楽しそうにしていて、いい笑顔で、良かったな…って」と、名古屋も一応は乗り越えられそうな目処がついて、一先ずは安心している様子だった。



名古屋公演3日目。
安田くん自身も”できるか分からない”と言っていたらしい3DAYSの最終日。
この日の午前中にどうしても休めない仕事があったため、行こうかどうしようか直前まで迷っていたのだけれど、心底行ってよかった。
本当に、本当に良い公演だった。


私は札幌でも多少ウルっとはきたけど正直悲しさよりショックの方が強かったのか涙は流れなかったし、名古屋の前二日間も楽しいが先立って泣くことはなかったんだけど、この日はなんか…会場の雰囲気のせいなのか否か、初っ端からやたらこみ上げるものがあって戸惑った。
そして、今回いつ・誰がメインで・どんな感じで歌うのかも既に把握しきっている、しかも今まで腐る程聞いてきた上にサビの歌詞もイェイェイェイにブンブンという泣き所など皆無の「ズッコケ男道」で、何故か急に涙が止まらなくなってしまった。
すばるくんの声の印象が強くて言わばエイトの名刺代わりみたいな存在のあの曲を、ヨコがメインボーカルとして堂々と歌い上げている光景の情緒は、ちょっと言葉では説明できない。そして追い討ちをかけるかのように聞こえた「安田章大!」の声(※ヨコかと思ったら錦戸さんが言ってたらしい)。その声を受けて笑顔でギターソロを弾く安田くんを見て、涙腺が完全に白旗を上げてしまった。


最後の挨拶。
この時だけヨコの表情が札幌の時のようだった。
「すばる」という名前を出す直前に、腹を決めたように一呼吸置いていたのが印象的だった。

まるちゃんは、すばるくんが抜けたという事実について後からショックを覚えたと、この件における自分自身の情況についてはじめてちゃんと触れて、言葉にしてくれた。
まるちゃんがすばるくんに執着していたことは重々理解していたからこそ、その言葉が本当に重かった。
最後は「ついてこい」って。耳馴染みのない命令口調に客席が湧いていた。

大倉くんは「コンサートに来ているファンはもちろんそれぞれ誰かの団扇を持っているわけだけどいわゆる”オンリー担”じゃなくて、他のメンバーも併せてグループごと愛でている人が多くて嬉しい」という気持ちを上手く言い換えようと「関ジャニ∞の公式アカウントがあるなら、皆それをフォローしてくれているみたいな…」とよく分からなすぎる例えを持ち出してきて一人で勝手にクラッシュしていたのが興味深かった。
でも、ラジオその他の媒体で言いたいことは既に言い尽くしてしまった故の事故であり、そちらではちゃんとしていたからこそ今回ばかりは致し方ない。
また言いたいことができたらその時はちゃんと言葉にしてくれるらしいので、その際はどんな秀逸な例えを持ってくるのか…、過度に期待しつつ楽しみにしておきます。

錦戸さんは「関ジャムでめっちゃ泣いたことで整理がついたから、皆も感情は表に出した方がいい」って、経験に基づく説得力のある言葉をくれた。
なんか、錦戸さんは普段から”eighter”という言葉をファンに向けてあまり使わないし、そもそも”ファン論”とか”おたく論”的なものに言及している印象がなくて、だから今回所謂”すばる担”がどういう心境でコンサートに来てるのか、ものすごく察しかつ踏み込んで直接すばるくんのファンに対し言葉を発している姿にグッとくることが多かった。
もしかして「渋谷ファンは今後の関ジャニ∞のコンサートに来てもいいのか?」的な不毛な論争があちこちで起きていたのを把握していたのかなぁ。
その論争の帰結が何なのかは分からないけど、「今日6人のエイトを見てまた見に行きたいと思ってくれるなら嬉しいし、やっぱりすばるくんがいいと思うならすばるくんを追えばいい」からの「もっとシンプルに考えて、自分が好きな人を追いかければいい」という錦戸さんの言葉以上の回答は、もうきっと無いと思う。
最後に「これからは自分たちが先導する」と、ハッキリと言い切っていた。この人は、いつの間にこんなにも強く頼もしくなったのだろう。

そして安田くん。
実は8月23日からの大阪公演に照準を合わすべく札幌名古屋は出演しないという案が現実としてあって、だからこそこの3日間が彼にとってどれほど大きな課題だったかを目に涙を浮かべながら丁寧に言葉にしてくれた。
この日の安田くんも勿論、然程動かず踊らずで、本調子とは程遠かった。
安田くんのパフォーマンスが好きな人は、あの安田くんを見てもしかしたら何か物足りなく思うこともあったかもしれない。でも、大倉くんが「それで、もしファンから"ステージに出ているなら、もっとちゃんとパフォーマンスして欲しい"と文句を言われたら、その意見も全員(つまり他の5人も)が背負っていくと決めた」と言い切っていたことを知ってほしいなと思った。…ほら、ANNではちゃんと良いこと言えてたんだよ大倉くん……。
メンバーへの感謝の気持ちを口にする時、ちゃんと左右に体を向けてお礼を言っていた。
「男が泣くのはよくない」って親から言われていたけど…と言い訳をしながら涙を堪えていた。
大阪では万全の状態でステージに立つ…と言っておいて立てなかったら寂しいから、と若干の弱気も垣間見せていた。
”涙を流した分、これからは笑顔のお花を咲かせたい”とキャラに合わせてなのか(すぐに花を咲かせたがる)すばるイズムのそれなのか、顔が綻ぶかわいい表現で挨拶を締めていた。
こんなすてきな人に、これ以上つらいことがありませんように。

安田くんのこともすばるくんのこともきっと本人の中では深刻で辛い出来事のはずなのに、そういう一面は一切見せようとしないヒナちゃんは素直に格好良い。
悲しい側面は全部自分達が背負っていくから、ファンには楽しむことだけ考えて欲しいっていうのが彼の心からの本心であって理想のようなので、こちらもなるべくそうありたいなとは思う。
 

本編最後の大阪ロマネスク。
涙で声を震わせながら歌う大倉くん。彼だって、いつ何時も笑顔で頼もしい(例えがヘタクソな)株主ドラマーっていうわけではない。
6人のそれぞれの言葉にグッときている上にまるちゃんや安田くんや大倉くんも泣いたりするし、しかも歌う曲はロマネスクということで、会場の雰囲気はある種異様なものになっていた。
なぜこんなにもこみ上げるものがあるのか、その理由がよく分からない涙で溢れかえっている空間に錦戸亮が「名古屋笑え!」と檄を飛ばす。そんな怒声すら泣けてくる、とても不思議な空間だった。

曲が終わり、客席を見回しながら「よう泣くなぁ…」と呆れた感じで言うヒナちゃんに「すまん!!!」と謝る大倉くん。貴方の同僚が「感情を表に出した方がいい」って言ってたし泣くことは悪いことではないけれど、あまりにも泣いてしまうと同じ人から「笑え!」と手のひらを返されてしまうのでその点はくれぐれも気をつけてください。

アンコールでは間近でヒナちゃんと楽しそうに戯れる安田くんが見られて本当に安心した。
ステージからいなくなる直前にヨコが安田くんを労う感じで優しく頭に触れていたのが印象的だった。
退場する直前に眼鏡を外す安田くん。客席からは大きな拍手と歓声が。
結局最後まで安田くんの出番が減らされることもなく、無事名古屋3公演を完遂。
地元大阪でもない名古屋開催でかつツアー初日でも最終日でもない中途半端な4公演目だったのに、なんだかまるでオーラスのような特別感がある公演だった。


今回のツアーは本当に独特だと思う。
その理由はすばるくんが抜けたこと、安田くんの体のこと、それらが重なってしまったことに尽きるとは思うけど、まだ序盤の4回が終わっただけなのにその間にも彼らはどんどん変化していく。
ANNで高橋優くんが「ただ安定した一つのものだけを見たい人からすると、(コンサート中に)『休んでいい?』なんて言葉は許されなかったりするけど、(ファンは)コンサートを見に行ってるわけではなくて"人間関ジャニ∞"のドキュメントを見に行ってる感じ」と明察されていたけどもコレは本当にそうだなと思って、見ているこちらはその経緯の目撃者というだけじゃなく、モブとしてその貴いドキュメントに参加させてもらっているような感覚すらある。

正直、今ツアーには突飛な演出もなければ前衛的な試みもこれといってない。セットも比較的簡素だし、衣装も地味というかシンプルなものばかり。
言わば、”ただ6人がステージに立っているだけ”のコンサートのようにも思える。
それなのに、その光景がひどく胸を打つ。
相当な覚悟を決めた6人が命がけでこのグループ史上最大の危機を一丸となって乗り越えようとしている、その彼らの生き様があらゆる演出を超えてエンターテイメントそのものになってしまっている。


エイトのコンサートをはじめて見てから早11年。
”全ステはしない”を信条としているものの何やかんやで数える気さえ起きない回数のコンサートや舞台をこの間に見てきたような気がするけど、時間が経った今もその時の雰囲気や感情、表情や挙動が鮮明に思い出されるほどに心が動かされ記憶に残っている公演なんて、その中にいくつあるだろうかと思う。
札幌のこと・2018年7月23日の名古屋のことは、きっとこれからも自分の記憶の中に鮮やかに残っていくはず。そしてそんな彼ら6人のドキュメントは、まだ始まったばかりなのである。

大阪東京福岡そして台湾も良い公演になりますように…とこちらが願わなくとも絶対に良い公演になる確信はあるので、とりあえず安田くんは一ヶ月間、ゆっくり過ごして大阪公演に臨んでください。