暇記

カキーン

関ジャニ∞の「友よ」について綴る。

関ジャニ∞が5人体制になってからの初のシングル「友よ」の発売日は、2019年11月27日。
CDもDVDもブルーレイも、初動枚数が何より大事であることくらいは私でも知っている。つまり発売日から一週間、厳密に言うとオリコンの集計期間である火曜日〜日曜日の6日間でどれだけ数字を残せるかが鍵。
今回は、7人から6人になった時とはまったく状況が違う。ことCDの売り上げに関しては、どうなるかが皆目分からなかった。



前記事のように、私は事細かにタグをつける習慣も無ければそれを是とする感覚も持ち合わせていなかったため、まず何がどれに有用で効果的なのかを把握することから始めた。
関連するツイートをする際は必ずタグをつけるだとか、その際は略称ではなく正式名称で書くのがベターだとか、CDを購入してから放置するのではなくちゃんと読み込んでタイトルを取得しなければ数字に計上されない等々、他のグループのファンからしたら今更感がありすぎるすべてのことが長らく平穏な場所にいて完全に平和ボケしていたエイトファンにとってはなかなかに面倒くさ…否、不慣れなものであった。しかしながらそうも言ってられないので、とりあえず11月24日の0時からはじまるBillboadチャートの集計にはちゃんと貢献できるようにと情報収集と準備に努めた。


11月25日に更新された大倉くんの期間限定連載コーナー「くらすます」。
それまでの自分たちを振り返った超絶長い文章の終盤、”グループとしての新しい夢は、また素晴らしい景色を一緒に見ることだ”という言葉の後に「手伝って!笑」と一言、書かれていた。
ソフトが発売される際、長らくこちらの庶民的お財布事情を気にすることに終始していた彼らが、ここにきてほぼ初めて、ファンに対してはっきりと「手伝ってくれ」と声をかけてくれたことが、なんていうか、素直に嬉しかった。
ファンが担当・推し・御本尊様にできることなんて本当に極々僅かしか無い。だからこそ、その”僅かなこと”くらい全力で協力させてもらいたいし、そうすることについて心配ではなく肯定…さらにいえば、もっと頼りにして欲しかったのだ。

本人から直接言われて張り切らないわけにはいかないだろうと、以降ファンはさらに活気付いた。
グループの正式名称でツイートしてしまうと∞が認識されないためあえて数字にしたり、最初から∞を省いて「(古株カンテレは決してしない呼称)関ジャニ」表記にしてみたり、Twitter公式では4文字以上のワードはトレンドとして掬われないから「友よ」ではなく頭に「なぁ」とつけて呟く方がいいのでは等、こういったSNSの使い方に若干の照れと不慣れさを覚えるファン同士、如何にして効果的に寄与できるかを試行錯誤しながら遂行しようとする様は、単純に興味深かった。


翌日26日の火曜日。いわゆるフラゲ日。
いつも毎週木曜日午後6時に更新されている会員制公式ブログ「関ジャニ戦隊∞レンジャー」が、この日の正午に5人分一斉に更新された。
ソフトの発売日に合わせてファンクラブメールが送られてくることは過去にもあった。しかし、発売日当日ではなくその前日にこういうことがあったのは、私の記憶では初めてのことだった。
内容は「友よ」の宣伝。文面は5人それぞれにもちろん違うものの、5人の文章すべてに、ファンがTwitterの公式トレンドに反映させるためだけに使っていた「#なぁ友よ」というハッシュタグが添えられていた。

自分も含めたファンの大勢は、この「友よ」に関するSNS上の動きについてエイト側の明確なレスポンスを期待することはもちろん、メンバー本人に「ファンの頑張りを見てもらおう」とか「思いを届けよう」とか、そういう気すら無かったはず。
如何せん私たちの御本尊様は、他でもない「ジャニーズ」のアイドルである。非現実的な煌めきを見せることを生業にする彼らは、どこまでも偶像であり虚像。明確な存在を実感できるのも思いを直接(団扇に乗せて…というか貼って)届られるのも、コンサートという限られた空間においてのみであって、場外におけるファンの能動的な挙動はいつだってエゴイズムでしかなく、反応を欲すること自体烏滸がましい…ということを、ファンは皆重々承知している。
今回だって、ただ単純に”5人になった関ジャニ∞を好きな人たちは今だってこんなにたくさんいるのだ”ということを数で分かりやすく示すことが彼らにとって利になるなら、そしてそれがこれからも関ジャニ∞を見続けたいというこちらの望みを叶えるその一片になるなら…というある意味自己満足が、ファン一人ひとりを動かしていたと思う。
だからこそ、「お、おそらく…良かれなことをしているはずだ……」とファンが恐る恐る始めたことを、SNSを(建前上は)やっていないにもかかわらずメンバー全員が把握していることを明示してくれたこと、そして皆まで言わずともそれを認めて肯定してくれたことがあまりにも想定外過ぎて驚いたと同時に、その未曾有の状況に真昼間から胸が詰まる思いがした。

47ツアー中、頻繁に更新されている47diaryでも、この日例のハッシュタグを使った写真が掲載された。
エイトの周りにいるスタッフの人たちも、彼ら5人とそのファンにちゃんと寄り添ってくれている気がして嬉しかった。

いやーあの地獄のような上半期とは打って変わってなんだか嬉しいことばかりだなぁ〜とホクホク気分でCDを買って帰ったこの日の晩、くらすますにて私たちは大倉くんからとんでもないことを持ちかけられた。
それは『11月28日の18時から「友よ」セブンイレブン盤の特典映像である「ぼちぼち大切な夜」を僕と一緒に見ませんか?』という、数十万人に宛てた特典DVD鑑賞会のお誘いだった。
しかもなぜ発売日の11日27日じゃないかというと、「おれら明日ベストアーティストに出るから」だっていう。
………いや知ってるし!何ならもう録画の予約してるし!!
しかもしかも、ちゃんと「#ぼち夜鑑賞会」という同時再生用のタグまで本人が作った上でこちらにお声がけしてくれたんですよ!!!本人は(建前上)twitterはじめSNSの類を一切やってはいないのに。

今でこそ嵐がいろいろなSNSに進出しているけれどその運用は飽くまでグループ単位での一方的な発信であって、ジャニーズのタレントが個人の私生活を垣間見せるようなSNSの私的運用は、現時点ではほぼされていない。
大倉くん自身「きっと酔っ払って余計なことを言ってしまう」と言っていたし、私自身も絶対にそうな(ってすぐさま削除するものの時はすでに遅しで即座にサイゾーが記事にす)ると確信しているし、個人の意見としては、今のままでいいと思う。
こんな時代&あんな年齢であろうとも、アイドルにはやはりそれなりに「偶像」のままでいてほしい。ファンはアイドルから発信される純度の高い”アイドルのお仕事”だけを摂取したいわけで、余計なノイズは極力見聞したくない。
それに、もし大倉くん本人がtwitterInstagramという場においてアイドルという立場で事務的なツイートのみを行うにしても、その呟きのリプ欄には恐ろしい数の無名読モのセルフィー無断転載アイコン・勘違い極まりない下品なリプライ・知らんがな的一般人の自分語り・狂人による理不尽な罵詈雑言・レイバンのサングラス特価優遇2499円・ビフィラス・メガキュア・アパシャイニー等々、見たくも無いものが大量に垂れ下がることになるのだろう。それらを自分が目にするのも、大倉くん本人も目にしたのだろうかと気にせざるをえなくなることも疎ましい。
だからまあ、アイドルでいてくれる限りは別段SNSはやって頂かなくても良いんですが、その制限された状況の中でハッシュタグまで提示して企画を設けてくれた大倉くんの心意気に、この上ない感動と優しさと"SNSでちゃんと話題にしろよ"的圧力を覚えたのであった。


27日。
公式サイトの新曲に関するメッセージコーナーで、安田くんが「また来年ドームができるのかどうか…でも、実現したい」と書いていた。
薄々覚悟はしていたけれど、毎年当たり前のようにやっていた、それこそ二ヶ月半前にはまだそれの最中だった”ドームツアー”のハードルがそんなにも高くなってしまったという事実に軽くショックを受ける一方で、もっともっと尽力せねばいかんなと思ったのであった。

この日のお昼過ぎ、セブンネットの公式アカウントが「#ぼち夜鑑賞会」というタグを添えて「友よ」の宣伝tweetをしていた。
このタグが爆誕してからまだ24時間も経っていないのに、もう既に発売元がそれを使って販促していることに大倉くんの影響力と今年7payで思いっきりしくじったセブン&アイ・ホールディングスリカバリー力のすごさを感じた。 

この日の夜は2年ぶりのベストアーティスト。「俺ら明日出るから」という本人の予告通り、本当にちゃんと出ていた*1
不穏な箱も芸人との謎すり替えもなく、生田斗真くんが見守る中、客もいないスタジオにて「友よ」を平和に歌唱していた。

そしてこの日の夜、オリコンデイリーランキングで「友よ」の初日売り上げ枚数が出た。
結果は159,245枚。4種形態とはいえ、セブンイレブン盤が早々に買い難くなっていることとTシャツ盤は少々値段が高く手が伸びにくいことを考えると、及第点は超えたかなと思えた。
今回ばかりは売り上げについて予想が全くつかなかったので、初日の数字を見てとりあえずは安心したのであった。


28日。「ぼち夜鑑賞会」当日。
この日は確たる意思のもと一切の残業を拒み、17時1分には勤務先のビルのエントランスを抜けていた。
寄り道をすることもなくまっすぐ帰って自宅に着いたのは17時50分頃。
10分間で身支度を整え、食べる物とレモンサワーを用意し、来たるスタート時間が来るのを待った。
18時ちょうどに再生ボタンを押す。
もう既に二回ほど見ていたので、見ながらタグをつけてぽちぽちとツイート。「この世のどこかで大倉くんも同じタイミングで同じものを見ているのだな…焼きそばともやしは引くほどカゴに入れる人に卵を全然買わせてもらえなかったのは本当に可哀想だったね……にしてもこの人ら、酒飲み過ぎやろ…安田くんの酒の強さまじで奄美……」等々見ながら好き勝手呟く、あっという間の90分だった。

終了後、すぐにトレンド欄を拝見。

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日本国内で、見事一位と相成りました。

しばらく経って設定を「日本」から「世界」に切り替えて再度トレンド欄を拝見。

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大倉くんが、FC会費とは別にわざわざ月300円を支払っている日本在住の人しか見られないその閉ざされた空間からふと発信した#ぼち夜鑑賞会というタグが、なんとトレンド世界一を獲ってしまったのであった。
どうやらこの日の19時から21時前までずっと一位だったらしい。2位のトルコの方々も「この”ぼち夜”っていったい何やねん」って思っていたことでしょう。Google翻訳かけても意味なんて出ないしな、ぼち夜。

ま、“twitterトレンド世界一”にいったい何の意味があるのか?というと、そのこと自体に大した意味なんてない。のだろう。
でも、今年の…主に春以降のネガティヴまみれだった日々を思い返すと、こうやって彼らを好きな人たちが一丸となってただひたすらポジティブに盛り上がれたことが本当に奇跡みたいに楽しかったし、その盛り上がりがちゃんと数字になって現れたことは …もちろん副産物に過ぎないんだけど、嬉しかった。

23時更新のくらすますでは、事前の予告通り大倉くん自身のぼち夜実況が掲載されていた。
それを読みながら私の目尻は下がり続け、口角は上がり続けた。
この日更新された関ジャニ戦隊∞レンジャーでは、まるちゃんから「好スタートを切れた」という言葉が。彼らにとってもあの初日の売り上げ枚数は一応のところ合格点だったんだなと分かってホッとした。
いつだって趣味からは「楽しい」だけを摂取したい私にとって、この日はとても満ち足りた夜になったのでした。


翌日の29日。
くらすますに昨晩の「ぼち夜鑑賞会」の模様を写真付きで載せてくれていた。
スタッフさんも含めて、大きなプロジェクターを使って同じ時間に鑑賞していたらしい。
ちゃんと「思ってもないところで」世界一を獲ったことについても触れてくれていた。
先ほど前夜の諸々に「大した意味は無い」とは書いたけれど、その諸々が他でもないメンバーにとってほんの少しでも前向きな要素になったのであれば、それ以上に意味のあることなんて無いわけで。
なんだか、しみじみと「諸々、良かったな。」と思えたのでした。

夜はミュージックステーションに出演。
47ツアー先の大分県から生中継。エイトのためだけにこんな遠路遥々出張してくれるなんて…とテレビ朝日の優しさに感謝すると共に仕分けのあれこれをすべて水に流してあげようと思った。
足湯に入っている大倉くんを見ると、Tシャツの首回りに#関ジャニ#Mステのタグが書かれていた。
昨日はどうもありがとうの意味なのか単に味を占めただけなのかそれとも見てるファンに「今日もタグを使って関ジャニ∞のことをつぶやけ」という無言の圧をかけてきたのか何なのかは分からなかったけど、いずれにせよここ最近の流れを踏まえてのそれなわけで、本当に可愛い人だなぁとつい笑ってしまったのであった。


30日。
オールナイトニッポンサタデースペシャル「大倉くんと高橋くん」にまるちゃんがゲスト出演。
90分笑いっぱなし。知らない人の車にも”機会があれば”乗ってしまうまるちゃんが最高だったけど、このラジオを聞いて「友よ」を買おうと思った人がいたのかどうか疑問ではある。


12月1日。
関ジャニ∞TVに、47ツアー中のエイトの5人がTSUTAYA島原店へ赴き「友よ」を購入する様子がアップされた。
店頭に並んでいる「友よ」を8枚まとめて貴族買いする大倉くんに倣うべく、追加購入された方も多かったのでは。

そしてこの日の23時59分をもって、「友よ」初週の売り上げ枚数の集計が締め切られたのであった。
この日までに累計は既に26万枚に達していた。前作crystalから1種増えているとはいえ、一応前作以上の数字が出たことに胸を撫で下ろした。


12月2日。
オリコンより一足先にBillboardが269,512枚を売り上げて「友よ」が無事一位を獲得したことを報じていた。
ファンが頑張ってタグ付け等勤しんだことが功を奏し、SNSでの話題性の数値も2位という好成績をおさめた。

その日に更新されたくらすますにて、大倉くん本人から「みんな手伝ってくれてほっっんとありがとう😢」という言葉を頂戴した。
こちらが何をどう手伝ったのか、この日に限らず大倉くんは具体的なことには一切触れてはいなかったけれど、「友よ」発売にあたってファンがこの一週間どうやって過ごしていのたかちゃんと理解してくれていることがありありと解る感謝の言葉。
そんなァ…こちらがやりたくて勝手にやったことですからァ…お礼なんてもったいないですゥ…と脳内で謙遜する自分は、そこそこに気持ち悪かった。

オリコンチャートの最終的な初動枚数は26.0万枚だった*2
…いや別にそんな目を引くほど格別高い売り上げってわけでは無いですよ、そんなことはこちらも十分解っています。
でも、この一年の間に「解散」すら過った関ジャニ∞とファンが必死になって獲得した「26万」は、過去のどんな数字よりもグッとくるものがあった。




…以上が「友よ」にまつわる”関ジャニ∞とそのファンの話"のほぼ全てである。
私がエイトの、大倉くんのファンになってからかれこれ12年以上経つけれど、今回の「友よ」に関するそれは今までに経験したことがない出来事ばかりで、彼らのことをさらに応援したいさせてくれと改めて思うことが非常に多い一週間だった。
これからもたくさんの「楽しいこと」に出会えることを願って。

まずは、明日の#夜な夜なクリスマス会*3を楽しみに。

*1:当たり前だが

*2:オリコンBillboardでは集計方法が異なるため数字には差異が出る

*3:2019年12月24日19:00ちょうどに 関ジャニ∞TV で配信される動画を再生しよう!