暇記

カキーン

すばるくんがジャニーズ事務所を退所することになったことについて綴る。

それは先週木曜の夜のことだった。

仕事が終わりスーパーで晩ご飯の買い物をした後、セブンに寄ってレジに並びつつふとスマホをいじっている時に目にした「渋谷すばる関ジャニ∞脱退へ」というフライデーの予告見出し。
手が震えた。
「震えるような」とか「震える思い」なんかじゃなくて、本当に手が、指先が、ブルブルと震えだした。

その日の晩御飯は鰹のタタキとほうれん草のおひたしとお豆腐のお味噌汁。
皆目、味がしなかった。


翌日以降twitter上ではその記事を揶揄するかのような反証合戦やネタ合戦が頻発していた。
でも、私自身はまったくそんなものに乗れる気にはなれなかった。

すばるくんが関ジャニ∞を愛して大切にしてきたのは火を見るよりも明らかで、揺るぎのない事実だという確信はもちろんあった。そして時折口に出すいつまでも関ジャニ∞でいたいという趣旨の発言にも決して嘘はないことも。
でも、それらの過去を持ってしても、この不安をかき消すことはできなかった。

なぜなら、比較的いつも信憑性が高い記事を載せるフライデーが何の確証もなくあんな大事件を大きな文字で、しかも語尾に「?」もつけずに載せるわけがないと思ったから。
そして、たとえ強い気持ちがあったとしても、時間の経過とともにその気持ちがあっさり変わってしまうことがあるということを、自分自身が重々理解していたから。
だから、とてもじゃないけど茶化せるような心境じゃなかった。


土曜日、終日胃がどんよりして食欲が湧かなくて晩はお漬物と牡蠣の燻製をお酒で流し込んで眠りについた。


日曜日の朝。
相変わらず胃は重い。嫌な想像をしては、「いや、そんなわけはないだろう」を繰り返していた中、ファミリークラブから例のメールが届いた。

「お知らせ」がどんなものなのか、薄々分かっていた。
分かってはいたけど到底認められるわけはなくて、「この際結婚でも留学でも活動休止でもいい。お願いだから脱退だけはしないで」とひたすら祈ることしかできなかった。

生殺しの1時間強。webには数分前からログインしておいた。今までの人生で一番長い10時59分だった。
キーを押す。案の定繋がらない。でも、誰かのスクショやコピペじゃなくて、ちゃんと自分で見て確認するのがけじめであり責任だと思い、リロードを繰り返すこと十数回。ようやく繋がった。

予想はしていた。でも、とてもじゃないけど俄かには信じられない文字がそこには並んでいた。
これは現実なのだろうか…?とびっくりしすぎてすぐに涙は出なかったけど、大倉くんが初っぱなからすばるくんの好きなところを羅列していて、それを読んだ瞬間、堰を切ったように涙が出た。
大倉くんだけじゃない、メンバー6人ともがすばるくんのことが本当に大好きで、大好きだから仕方ないんだということが各々の文章から滲み出ていた。


勢いと本能のままに呟きまくった昨日のtwitterを見返すと、私は何度も繰り返し「信じられない」と呟いていた。
1日経った今でも、本当に信じられない。
すばるくんが関ジャニ∞じゃなくなることも、あの6人と今後は同じ時間を共有していかないことも、関ジャニ∞の曲からすばるくんの声が無くなることも、ヨコとヒナと同じ場所で一緒に年をとっていかないことも、これから関ジャニ∞のコンサートに行ってもそこにすばるくんはいないことも、その空間ですばるくんの声が聞けないことも、もう二度と、7人の関ジャニ∞をこの目で見られないことも。
昨日まで当たり前だと思っていたことが、一気に全否定され、すべて無くなってしまった。

その後、アッコにおまかせで直前まで行われていた会見映像が撮って出しされていた。
壇上には目の下にクマを浮かべ、滲んだ瞳をした血色の悪い6人がいた。
すばるくんがまっすぐな目をして、ジャニーズ事務所を退所する旨を語り出した。本当に、信じられない映像だった。
あんなにも固執していた関ジャニ∞からいなくなると躊躇なく言うすばるくんを、心底悲しそうで悔しそうなヨコを、ヨコと同じくらい悲しいはずなのに誰よりも気丈に務めようとするヒナちゃんを、どうしていいか分からない表情のまるちゃんを、今まで見たことがないくらい苦しそうな錦戸さんを、そしてふてぶてしさと納得いってなさを全面に出す素直な大倉くん(&何故かいない安田くん)を…、この光景を、私はいったいどう処理していいのかまったくもって分からなかった。

その後、会見の詳細が次々とネットにアップされた。
それをひたすら手当たり次第に読んでいった。読みながらも全然実感が湧かなかった。目の前にある全てのことが嘘みたいだった。
でも、あちこちで散々言われていたように、こんな場面でも関ジャニ∞は、(グループの一世一代をかけた会見時に欠席した安田くんも含めて)自分が大好きだった関ジャニ∞そのまんまだった。
それが嬉しくも、辛かった。

すばるくんがFLAT FIVE FLOWERSの活動に没頭している頃、エイトじゃない別のものに賭けているすばるくんに対して好意的じゃなかった(ことをすばるくんにあっさり見抜かれていた)大倉くん。
そんな大倉くんが、エイトじゃない別のものを選んだすばるくんに対してあからさまに不満げで、ああこの人は本当に変わらないなぁ…そしてすばるくんのことが今も昔も大好きだったんだなぁと改めて実感して、「勝手な決断をしたすばるくんを嫌いになれなかった」という一文と笑えるくらいに態度の悪い大倉くんの写真を見ながら、暫く涙が止まらなかった。


私は大倉担だけど、関ジャニ∞の核・主軸・主人公・アイデンティティ…端的に言うと、関ジャニ∞渋谷すばるだと思ってきた。
関ジャニ∞関ジャニ∞たる所以は、センターに渋谷すばるがいることに尽きると思っていたし、今もそう思っている。
だから、今の段階ではそのすばるくんがいなくなった6人がグループとしてどうなっていくのかがまったくもって分からない。正直、過去10年で今が一番先が見えないし分からない。
そして過去10年で今が一番、辛い。

もっと大倉担らしく、大倉くんだけを応援して他のメンバーもグループ自体も蔑ろにできるファンだったら良かったのに。
私はヨコもヒナちゃんもまるちゃんもヤスくんも錦戸さんも、そしてすばるくんのことも好きになりすぎてしまった。
7人の関ジャニ∞に情が移りすぎてしまった。それを、今は少しだけ後悔しています。

でも、6人はこれからも関ジャニ∞として先へ進んでいくことを決めてしまった。
関ジャニ∞渋谷すばるだったのに、そのすばるくんを失ってしまったのに、6人は関ジャニ∞を諦めないでいてくれた。
向こうがその気なら、私も今まで通り関ジャニ∞に声援を送るだけである。

とはいえ、実際に6人で動き出してからすばるくんの不在に直面することで、絶望したりモチベーションを見失ったり今まで14年かけて積み重ねてきたものを一から再構築することの困難さを実感して、6人の心が折れてしまわないか、特に”13歳”の頃からずっとすばるくんに憧れていて、おそらくすばるくんが担っていたものの多くを引き継ぐことになるであろう錦戸さんが疲弊してしまわないか…、今はそれが一番心配です。
もうこんなことは起きて欲しくない。そしてエイトのあんな顔ももう見たくない。
だから、すばるくんがいては決してできなかったこと、あの6人だからこそできることをこれからたくさん探して見せていってほしい。
そしてできれば、あの6人にはずっと一緒に居続けて欲しい。

あゝ、札幌で初めて6人の関ジャニ∞と対峙した時、私は何を思うのだろうか。
きっと最初はものすごく寂しくて辛いんだろうけど、ま、人の気持ちは時間の経過とともに変わっていってしまうから。
いつかすばるくんのいない関ジャニ∞に慣れてしまう日が来るんだろう。
「そういや昔は7人だったなぁ…」と懐かしく思う日が。
今はあまりにも想像がつかないしそんな日が来てしまうこと自体が悲しいけれど、そう思えるくらいに6人には長く関ジャニ∞でいて欲しい。












すばるくん、私はあなたのことが、7人揃った時の関ジャニ∞が、本当に大好きでした。
私が好きになってから今日まで楽しいことばかりで、あなたたち7人はいつも嘘偽りなく「最高で最強」でした。
そして格好いい6人の真ん中に堂々と立つに相応しいあなたの絶対的な存在感が、いちファンとしていつも誇らしかった。
今思えばこうなることを意識して努めていてくれたのかもしれませんが、関ジャニ’sエイターテインメントからの約1年半、ひたすら”アイドル”に徹してくれたことについては心からの感謝しかありません。
これからもお互いの腰が曲がり出すくらいまで一緒に時間を重ねていけるものだと、何の疑いもなく信じていました。
だから今は心底悲しいし寂しいし、辛いです。

でも、すばるくんの人生も6人の人生も、そして私の人生もこの先まだまだ続きます。
旅立つ夢を見てしまったすばるくん、さよならまたいつか会うまで。