暇記

カキーン

2016年1月17日の出来事について綴る。の続きを綴る。

2016年1月17日の出来事について綴る。 - 暇記

↑の続き。
「へそ曲がり」の間奏では毎回ヤスくんの挨拶がある。
いつもは全力で逞しく客を煽り、パーフェクトなアイドルっぷりを見せてくれるのだけれど、その日のヤスくんはといえば、客に大倉くんの名前を呼ばせたあと「大倉いますよー」と言いながら自分の衣装の下に忍ばせていた大倉くんの団扇を出してみせて、これまた100点満点のアイドルっぷりだった。突然にヤスくんの腹から出て来た見慣れた団扇。何ならわたしも持っているその団扇に在る大倉くんの笑顔が、ここにきて最高に眩しく見えた。

曲は「モンじゃい・ビート」へ。
この曲ではいつも三馬鹿と年下四人がそれぞれ分かれて花道を進む。いつもそれぞれがもっちゃりくっついたりくっついたりくっついたりするこの場面で、メンバー皆が例の大倉くんの団扇を取り出しそしていつものように歌い出した。歌いながら自分の顔に大倉くんの団扇をかぶせ、まるで大倉くんが歌っているかのように見せる面々。六人それぞれのファンの人、さらに大倉くんのことが別に好きでもなんでもない人にとっては確実に鬱陶しいだろうなこのくだり…と思いながらもわたしは心底嬉しかったし有り難かった。
その途中でまるちゃんが「どや!ドヤ顔で〜」と歌いながら自分の顔と大倉くんの団扇を並べた上で、その団扇の大倉くんの顔マネしていたことも付け加えておく。ま、そんなに似てはいなかった。

バンドのセクションへ。
ドラムに関しては…エイトにはもともと生で演奏するミュージシャンの方がサポートでついているので、おそらくその人が代わりに叩くのだろうなとは思ってはいた。だから一番最初にヨコがドラムセットに座った時は『え、まさか叩けるの…?!』と一瞬息をのんだものの、結局のところ、とてもエアリーなドラム音が数秒間ドーム内にふんわりやさしく響いただけだった。

「ふりむくわけにはいかないぜ」が始まる。
さすがプロだな…とエイトとは少し離れたところにいるそのサポートドラマーの方のスキルに感心しつつも、六人が演奏するメインステージにあるドラムセットに誰も居ないその光景は、なかなか胸に詰まるものがあった。
あと、やっぱり聞こえる音も違っていた。大倉くんのドラムって思ったより力強かったんだな…と普段気づかないことに気づけたりもした。

イヤモニのトラブルなのか、「言ったじゃないか」の途中からまるちゃんがベースを弾けなくなった。
時に”夫婦”と形容されるドラム(の人の腸)とベースが同時にアクシデントってなんかちょっと運命的だな…と不謹慎なことを思ったりもしていたのだけれど、まるちゃんはすぐさまベースから手を離し両手を挙げて、客を煽ることに徹し出した。それを見て笑うメンバー。一歩間違えたらシリアスな状況になってもおかしくないトラブルを瞬時に笑いに転換するこの人たちの強さがここでも垣間見えて感動した。

「言ったじゃないか」では、曲が始まる前に毎回すばるくんが大声で「もっと騒げるって?」と客を煽る。
そしてこの日は「大倉の分まで騒げるって?」と客を煽った。そこで聞いたことがないような大歓声が起こる。わたしも『すばるくんがこう言ってるんだし大倉くんの分まで騒がないといけないな』とこの辺りでようやく少し思い直せた。
間奏にある大倉くんの台詞、それまで比較的大倉くんの穴を埋めてきていた錦戸さんは自分自身のセリフがあるのでどうするんだろう…と思ったら、そこはすばるくんが担ってくれていた。それに続く四人。
四人とも大倉くんを思った台詞を吐いてくれてはいたけれど、中でもヨコが言った「昨日まで元気やったやないか!」という一言にメンバーが抱える如何ともし難さが思いっきり滲み出ていてつい笑ってしまった。

キャンジャニ∞。
ここで流れるVTRでも大倉くんは当然のように出演していた。映像の中で「ちょっと寝るわ〜」と言う大倉くんに『ちょっとじゃなくてちゃんと寝てくれ』と思ったりもした。

VTRが終わり、キャンジャニの面々がメインステージに現れると同時にすば子の股間の何かしらも過去に類を見ないほどにハッキリと表に現れていた。『この凸はもしや凹んだ大倉担に向けてのサービスなのかなサンキューすば子』とその有り難い何かしらを拝礼したい気持ちでいっぱいになった。

曲が終わり、自己紹介の時間へ。
丸子への理不尽な野次と随所にインサートされる鋭利な突っ込み、そして何よりオチを任されていた倉子の不在は、キャンジャニ∞にとって思ったよりも大きいものだった。
上手く立ち回れない丸子に突然二重人格になる安子。山田(の好きな人たち)はこの状況下でそれぞれにクラッシュしていた。
「ブス」「汗かくとブス」「心の中までブス」「本当にブスね!」とほぼ毎回ブスとしか言われていなかったのに、それでもやっぱり自分には倉子が必要だと言う丸子の健気さに涙が出そうになった。

ただでさえ心から笑えないファンが多い中、普段から高打率だった倉子が抜けたことで笑いの量がガクッと減ってしまったのは決して贔屓目ではなかったと思う。そんな中、いつもの何倍も頑張っていたのが村子だった。
別に倉子の不在は関係なかったのかもしれない。村子がやりたいから、やりたいことを素直にやっただけなのかもしれない。でも、村子のどう考えても過剰過ぎる挙動を見てお客さんが皆大爆笑してる光景は、しんみりしているそれよりもはるかにエイトらしかった。

キャンジャニ∞では、一人一人が順番に捌けて終盤に三馬鹿+倉子になる。でも、倉子がいなかった昨日は必然的に三馬鹿だけがステージに残ることとなった。

エイトが好きな人の大半は”三馬鹿”という括りのあの三人が大好きだと思う。同学年で昔から3コイチ、同じ釜の飯を食ったという表現がピッタリの、どう考えても特別な三人。
わたしも例に漏れず好きなので、昨日の「この三人が揃うのは久しぶりにね♡」という村子の言葉には正直なところ色めき立った。でも…何故ここに来てこの三人になったのかそれは今日ここに倉子が居ないからで、この状況を喜んでいいものか否かそしてこの状況は嬉しいことなのかむしろ嬉しくないことなのか…判然としなさすぎて脳内カオス状態だった。

キャンジャニ∞のコーナーが終わり「夏の恋人」へ。
この曲には大倉くんのソロパートに加えてペアダンスがある。よりによってペア。大倉くんの相手はまるちゃん。
正直なところ、このペアで踊るところでは向かって右側の安田錦戸コンビにいつも釘付けなのだけれど、今回はまるちゃんのがんばりを見届けようとまるちゃんだけを見ていた。予想通り一人でペアダンスを踊り出すまるちゃん。『最後の、相手に体重をかけるところはいったいどうするんだろう』と思った次の瞬間、ヨコがスッとまるちゃんの横に来て、ダンスの相手役になっていた。
当初はそのつもりではなかっのたであろう覚束なさ。でも、まるちゃんの嬉しそうな顔を見たら素直に良かったなと思えたし、ぶっちゃけ付き添いで来たギャル達もこれで完全にヨコに落ちたなと思った。

MC。
はじまってすぐに錦戸さんが「やっぱり緊張してたんやろうな…めっちゃフリとか間違えた」と苦笑しながら言っていて、なんか…カケモチしてしんどかったであろう頃もお仕事の部分では決して弱音を吐かず表向きはいつも首尾よくこなしていた印象があったから、冗談半分とはいえそんなことを言うのがちょっと意外で胸が苦しくなった。
”元気が出るLIVE”と銘打っておきながら最終日に病気で休むって言うこの流れがコントだと、今思えば北海道のあの旅からはじまっていた盛大なコントだったんだと六人がこの状況を笑いに昇華してくれていたのがせめてもの救いだった。エイトもそれを見るファンも楽しそうに笑っている、それが彼等のコンサートとして一番健全な姿だと思うから。

ユニットコーナー。
「渇いた花」。二人とも、今までで一番優しい表情だと思った。最後に握手。お互いに一点の曇りもなく心から信頼し合っているその関係が心底羨ましい。
「バナナジュース」。最後の最後まで距離が縮まらないじれったい二人だった。でも、長く見ていたらこんな未来もあるんだってことを体現してくれた二人のこれからが本当に楽しみ。

そして「my store」。
まあ無難に山田が楽しく明るくお届けしてくれるんだろうなって思っていた。途中の組み体操は…肩車でもするんだろうなって。エイトのファンは概ね三馬鹿が好きだけど、山田も好きだから。きっとハッピーな有終の美を飾ってくれるだろうと。そう信じて疑っていなかったのに、オープニングで薄ら見えたシルエットは二つじゃなくて三つだった。
今考えると直前にバナナジュースを歌った二人も直後にKINGとしてのお仕事が控えているヒナちゃんもあのタイミングでの出演は不可能なので消去法でいっても出られるのは一人しかいないんだけど、その瞬間は「誰?」ってものすごく考えてしまった。勿論、その三人目の正体はすばるくんだった。
毎度スパッツ状態だった大倉くんのハーフパンツは、すばるくんが履くと笑えるくらいにブカブカだった。そんなサイズがまるで合っていない衣装に身を包み、歌えそうなところだけチョロっと歌い踊れそうなところだけチョロっと踊ってあとは適当にムビステ上をちょこまかと動き回るすばるくん。そんな彼に時折立ち位置や踊りをガイドする山田の二人。
ツアー最後のmy storeは、そんな感じで幕を下ろした。
なぜすばるくんが一緒に出ることになったのか。上から言われたのか自ら進言したのか、山田から出て欲しいと言われたのかそれともただ何となくそういう流れになったのかは分からない。決して完璧に踊れてはなかったし歌えてもなかった。でも飽くまで”三人組”のユニットの一人になることで大倉くんの穴を少しでも埋めようと、お客さんに虚無を感じさせないようにと全身全霊で頑張るすばるくんを見てわたしは笑い泣きせざるを得なかった。
その後曲が終わってもこの三人が捌けずにステージにそのまま残っていたため、次の曲のKINGが明らかに戸惑って笑っていたのもご愛嬌。ランニングマンとも久々の再会を果たせました。

WASABI」。
わたしはこの曲で踊る大倉くんが大好きだった。連れ去るところも抱きしめるところも、見るたびに毎回ドキドキしていた。
でも、この日の大倉くんが居ない「WASABI」で一番強く思い知らされたのは、大倉くんが歌の面でいかに大事な役割を果たしていたかということだった。
大倉くんの低音のコーラスが無いだけで、歌の厚みが一気に減る。こんなにもかと思うほど。
この曲には、落ちサビでtornがセンターで歌いそれを五人が囲いながらヘッドバンキングするという見せ場がある。大倉くんがいないから必然的にセンターに立つのは錦戸さん一人きりに。その光景はもちろん耳に聞こえてくる歌もやっぱり物足りなくて(下手って意味じゃないよ飽くまで厚みという意味で)、”居ないこと”の大きさを改めて感じた。

「韻踏ィニティ」の大倉くんの台詞も錦戸さんが言ってくれていた。この人がこんなキメ顔で「オレんとここいよ」って言うことなんて滅多に無いな…とガチャで金卵が出た時みたいな心境になった。

High Spirits」からの「勝手に仕上がれ」。
素人耳にも分かるくらいドラムの音がいつもと違う。グルーヴ感も普段より無い。
でも、みんな一生懸命だった。一生懸命で、満身創痍だった。
丸山!って呼ばれた後モニターに映ったまるちゃんが本当に良い顔をしていて、それを見たとき素直に泣けた。




さらに続く