暇記

カキーン

2016年1月17日の出来事について綴る。

既報の通り、昨日わたしにとっていわゆる"担当"にあたる大倉忠義さん(30歳)が、急性的な腸閉塞になりツアーの最終日の公演をお休みするという出来事がありました。

とりあえずこんなことはもう二度とないと思うので、昨日の出来事と自分が感じたことを貴重な体験に基づく備忘録として書き留めておこうと思い久々にログインした次第です。

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コンサート前に用事があったため開演時間の直前、約10分前くらいに会場に着いた。
この日はスタンド下段だったので、まあ10分もあれば十分間に合うかと別段急ぐこともなく座席へ。
隣の席には既に知り合いが座っていたので、世間話をしながら用意(ペンライト出したりタオル出したり)をしていた。
思いのほか話がはずみ、迫っている開演時間のことなどすっかり忘れかけていたころ、いつも開演前に流れるVTRも無いまま突然メインステージに数名の人が現れた。

モニターに映像はなくバックステージ近く=メインステージから相当離れていたこともあり、最初出てきた人たちがエイトなのかどうかなのかすら分からず、オーラスだしもしかして何か特別なことでもあるのかなとその時はむしろ期待感の方が強くもあった。
そして間もなくその中の一人がしゃべりだした。ヒナちゃんだった。
「見て頂いたら分かるように…」という言葉が耳に入ってきた瞬間、一気に嫌な予感が噴出した。『え、見たら分かるレベルの異変が?』と目を凝らして人数を確認すると、確かに一人足りない。『誰?ヒナちゃんは喋ってるからちがうし誰なんだろういやでも昨日ラジオの生放送してたくらいだしまさか大倉くんではないよね…』と動揺のあまり手元にある防振双眼鏡を覗くことすら忘れて居ないのが誰なのか必死に確認しているその間の体感時間の長さたるや。今になって思うと、脳が必死に”大倉くんであること”否定しようとしたのかなとも思うけど、単に視力の問題なような気がしないでもない。

で、わたしが必死にステージ上を精査している途中でこの場にいないのが大倉くんであることがヒナちゃんから告げられた。
客席から上がる悲鳴。近くから聞こえる泣き声やそれを慰める声、コンサート会場とは到底思えない、お葬式のような雰囲気が一気に会場に充満した。
大倉くんが急性の腸閉塞に罹患したこと、ラジオ放送中から少し異変があったこと、直前まで本人は出たがっていたけどドクターストップがかかったこと、気持ちは7人だから今このスタッフパーカーを着て立っていること…をヒナちゃんがいつも通りの口調でお客さんに説明していた。

わたしはといえば、六人が横並びでステージ上に立っているしかもこれは良くないことだ、コンサートに出られないくらい何か深刻なことが起きたのだと勘付いた瞬間から、犯罪とか事故とか大怪我とか、直接的に生死もしくは今後のグループの未来に大きく関わることが起きたに違いないとかなり勝手に身構えてしまっていたので、不在の理由が腸閉塞だと聞いて正直ホッとした。「ああ良かった」とすら思ってしまった。だから涙はまったく出なかったし、理由が分かったことで冷静さも取り戻せた。


その後、六人が今日のコンサートをどうするかという判断を客に委ね、結果的にそれは開催されることになった。
わたし自身大倉担であるとはいいつつそもそも関ジャニ∞というグループ自体が好きなので、大倉くんが居ないのはもちろん寂しいけどまあ楽しめるだろう、だって大倉くんがいなくても大好きなヨコもすばるくんもヒナちゃんもまるちゃんも錦戸さんもヤスくんもいるのだから大丈夫だと気を取り直して時刻を確認するついでに『楽しむし!』とつぶやいたのでした(6人退場後&開演前とはいえ会場で電源を入れてごめんなさいこの点は謝ります。)

そして、いつも通り開演前に流れるVTRが終わって数分後、オープニング映像が流れ出す。
大正駅から京セラドームへの道のりをエイトが実際に歩いていくという映像の中に、もちろん大倉くんもいた。『この人今日京セラドームに来てないのに普通に行く気で喋ってる…シュールやな…』と映像の中の大倉くんをぼんやり眺めていた。

そして映像は切り替わり、モニターはバックステージのメンバーをリアルタイムで映し出す。
一瞬目に入った大倉くんの衣装に『え、やっぱり無理して出るの?』と思ったのも束の間、その衣装を着ているのがヨコだと気付き、一気に堪らなくなった。
そして、まるで見ているこちらもその円陣の中にいるかのような気遣いに胸がぎゅっとして間もなく、六人のコンサートがはじまった。


一曲目のキングオブ男、いつも目をやる場所にもちろん大倉くんはいなかった。
そのことに気づいた時、とてつもなく吃驚した。あまりにもピュアに悲しいと感じた、そんな自分に心底吃驚したのだ。
大倉くんの不在がこんなにも悲しく寂しいだなんて思いもしなかった。ほんの数分前『今日もコンサートを楽しもう』という気しかなかったわたしはもうそこには居なかった。

「どうしよう、これは想像以上にキツいな…」と思いながら歌い踊る六人を見ていた。いつも、大倉くんとヒナちゃんとヤスくんが胸ぐらをつかみ合う場所でも当たり前のように二人だけ。そこでまた増幅する物悲しさ。自分のテンションがどんどん下がっていくのを感じていたそんな中、突如錦戸さんが「愛する女のためだけ」という歌詞を「愛する大倉のためだけ」と替えて歌いだした。それに続くように「愛する大倉の夢」と替えて歌うすばるくん。ふざけることを良しとしないこの曲で何てことをしてくれるんだこの二人はと思いながらも、心が動かないわけはなかった。

二曲目のへそ曲がり、この曲にはAメロのしょっぱなから大倉くんのソロパートがある。さていったいどうなるんだろうかというこちらの心配をよそに、そこは錦戸さんがさらりと歌ってくれていた。
ここに限らず、大倉くんのパートの八割くらいは錦戸さんが対応していた。別に錦戸さん以外の人だってやろうと思えばできたのかもしれない。でも、元来の歌の安定感はもちろん反応の早さや柔軟さはやっぱり貴方だからこそだよ本当にカッコいいゼ前髪は無いけど!なんてことを考えている間にもコンサートは当たり前のように進んでいった。




続く